ルチルクォーツについて
【和名・金針水晶(きんばりすいしょう)/金紅石(きんこうせき) 英語・Rutilated Quartz |産地・ブラジル】
ルチルクォーツとはルチルと呼ばれる金色に輝く鉱物を内包したクォーツです。金色に輝く様子から金運向上の天然石としても人気があります。ジュエリー素材としても秀逸です。当店ではビーズを中心に、カボション(ルース)、ペンダントトップ、ブレスレットも販売しております。
ルチルクォーツの特徴
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ルチルクォーツとは
ルチルクォーツとは、繊維状のルチル(金紅石、きんこうせき)がインクルージョンとして内包されたクォーツです。ルチルが針のようにも見えることから、和名は「金針水晶(きんばりすいしょう)」と呼ばれます。
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クォーツの産状
クォーツは地殻を構成する非常に一般的な造岩鉱物で、フェルスパー(長石、ちょうせき)に次いでもっともよく見られるものです。火成岩・変成岩・堆積岩のいずれにもしばしば含まれます。クォーツは二酸化ケイ素が火山噴火した際に出たマグマの熱に溶かされ、それを含んだ水が冷やされて結晶化して作られます。
結晶が形成される際に不純物を含むことで、紫や褐色、ピンクなど、さまざまな色に染まります。
代表的なものとしては、
・鉄:紫(アメジスト)、黄(シトリン)
・アルミニウム:ブラウン(スモーキークォーツ)、黒(モリオン)
・チタン、マンガン:ピンク(ローズクォーツ)
が挙げられます。
また、他の鉱物をインクルージョンとして含むことも多いです。代表的なものはルチル、デュモルチェライト、トルマリンなどが挙げられます。また、生成の過程で水やオイルが閉じ込められることもあります。これらは太古の環境を保管しているので、学術的価値が生まれることもあるのです。
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ルチルの産状
ルチルの名前の由来は、ラテン語で「赤みがかった」という意味の「rutilus」です。ルチル単体の結晶を光に透かしてみると、赤みを帯びた色に見えることから名付けられました。和名の「金紅石」もその特徴から付けられています。
ルチルは、単体ではペグマタイト(大きな結晶からなる火成岩の一種)、スカルン(石灰岩などにマグマが接触してできた、接触変成岩の一種)、変質した花崗岩などに結晶します。共生鉱物としてヘマタイトなどを伴うことがあります。その際、共生鉱物から放射状にルチルが伸びた状態が、まるで太陽のような形になることから「太陽ルチル」と呼ぶこともあります。
ルチルはダイヤモンドをも上回る、高い屈折率を誇ります。しかしながら、天然のルチルは小さすぎたり透明感に欠けたりするため、宝石としてカットされることはとても珍しいことです。
一時期、合成ルチルが「チタニアダイヤ」という名前で、ダイヤモンドの代用品として使われていた時期がありました。硬度がやや低い石なので、すぐに市場から姿を消してしまいましたが、今でもコレクターの間では熱心に取引されています。
ルチルは、鉄を含むことで色が金色〜褐色に赤みがかっていき、鉄を30%以上含むと黒くなります。このようなルチルは「ニグライン」と呼ばれることがあります。
ルチルとアナテース(鋭錐石、えいすいせき)、ブルカイト(板チタン石)、アカオギ石は、化学式は同じですが結晶の構造が異なる「同質異像(どうしついぞう)」の関係にあります。また、パイロルーサイト(軟マンガン鉱)、キャシテライト(錫石、すずいし)とは結晶構造はよく似ていますが化学式が違う「類質同像(るいしつどうぞう)」の関係にあるのです。
ルチルクォーツ 鉱物データ
項目 |
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和名 |
石英 せきえい/金紅石 きんこうせき |
モース硬度 |
7/6〜6.5 |
結晶 |
三方晶系/正方晶系 |
成分 |
SiO2/TiO2 |
比重 |
2.7/5.6 |
色 |
透明/金色、褐色、黒等 |
一般的なトリートメント等 |
樹脂含浸処理 |
ルチルクォーツの産地
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上質なルチルクォーツが産出することで有名なのはブラジルです。他にはオーストラリアなどでも産出します。当店では、ブラジル産のルチルクォーツを中心に取り扱っています。
ルチルクォーツの価値と種類
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ルチルクォーツの価値
ルチルクォーツは、ルチルが多く含まれ、透明度が高くクラックの少ないものが価値があるとされています。通常ならば敬遠されるインクルージョンですが、ルチルクォーツはルチルというインクルージョンこそが独自の価値を生み出しているのです。当店では、透明度の高い上質なルチルクォーツを数多く取り扱っています。
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ルチルクォーツの種類
一口にルチルクォーツといっても、さまざまな種類があります。ここでは当店で取り扱っているものを中心にご紹介いたします。
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ゴールデンルチルクォーツ
金色のルチルがインクルージョンとして含まれているルチルクォーツを指します。「ルチルクォーツ」としてもっとも広く知られているカラーです。
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タイチンルチルクォーツ
ルチルクォーツの中でも、特にルチルの繊維が太く大きなものを指します。中国語では「太金」と書きます。タイチンと呼ばれる品質のものは産出量が少なく、年を追うごとに価格が高騰しています。
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マルチカラールチルクォーツ
イエロー、オレンジ、レッド、グリーンなど、さまざまなカラーのルチルクォーツです。当店では、多数の色をミックスしたものを取り扱っています。
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ブロンズルチルクォーツ
赤みがかったルチルのインクルージョンが特徴的なルチルクォーツです。「コッパールチルクォーツ」とも呼ばれます。ルチルが鉄を多めに含んだ結果、深い赤褐色を示すようになりました。
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ブラウンルチルクォーツ
褐色のルチルのインクルージョンが特徴的なルチルクォーツです。ブロンズルチルクォーツと同じく、ルチルが鉄を多く含んだ結果、褐色に染まりました。
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ブラックルチルクォーツ(トルマリンインクォーツ)
繊維状のブラックトルマリン(黒電気石、くろでんきせき)が含まれるクォーツです。外見はよく似ていますが、ルチルとは異なる鉱物です。ブラックトルマリンが髪の毛のように見えることから「ブラックヘアークォーツ」とも呼ばれます。
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プラチナルチルクォーツ
繊維状のチタンが含まれるクォーツです。こちらもルチルとは異なる鉱物です。グレーがかったシルバーが大人っぽい印象を与える天然石です。