トルマリンについて
【和名・電気石(でんきせき)|英語・Tourmaline|モース硬度・7〜7.5|産地・ブラジル/ナイジェリア等】
トルマリンは様々な色合いをもつ天然石です。摩擦などで容易に電気を帯びるところから、宝石としての美しさのみならず、健康維持という目的でも人気があります。当店ではビーズ、カボション(ルース)、ペンダントトップ、ブレスレット等を販売しております。
トルマリンの特徴
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トルマリンの名前の由来
トルマリンの名前の由来はシンハラ語で、ジルコンとトルマリンが混ざった石のことを指す「turmali」です。時代が下るにつれてturmaliはジルコンとは区別され、トルマリンだけを指す言葉となりました。
和名は「電気石」と呼ばれます。これは、結晶を加熱すると電気を帯びるという性質に由来します。その特徴から「エレクトリックストーン」と呼ばれることもあります。
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トルマリンの産状
ルマリンの結晶が産出されるのは、花崗岩質ペグマタイト(大きな粒で構成される火成岩の一種)の鉱脈です。
トルマリンは一つの鉱物名ではなく、鉱物のグループ名です。
主なトルマリンの仲間を挙げると、
・ドラバイト(苦土電気石)
・リディコータイト(リディコート電気石)
・エルバイト(リチア電気石)
・ショール(鉄電気石)
・ウバイト(灰電気石)
などがあります。
このうち、宝石として加工されることが多いのはリディコータイト、エルバイトです。他のトルマリンも宝石として加工され、市場に流通することがあります。
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トルマリンは10月の誕生石
トルマリンは、日本ではオパールと並んで10月の誕生石に指定されています。「希望」「潔白」「友情」「広い心」などの石言葉を持ち、パワーストーンとしても人気の高い天然石です。
誕生石は、旧約聖書の「エジプト記」に出てくるイスラエルの祭司長の胸当てにはめ込まれた12種類の宝石と、「ヨハネの黙示録」に登場する理想郷の12の城門の土台を飾る宝石に由来するといわれています。12の宝石は、イスラエルの12の部族(あるいは12の使徒)の象徴とされており、トルマリンもその中の一つとされています。
トルマリン 鉱物データ
項目 |
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和名 |
電気石 でんきせき |
モース硬度 |
7〜7.5 |
結晶 |
六方晶系(三方晶系) |
成分 |
AB3C6[X3Y/(BO3)3/Si6O18] |
比重 |
3.31 |
色 |
赤、黄、オレンジ、緑、青、水色、紫等 |
一般的なトリートメント等 |
一部、加熱処理、放射線照射処理 |
トルマリンの歴史と産地
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トルマリンの歴史
トルマリンが宝石として広まったのは15世紀頃です。ヨーロッパにオランダ商人がトルマリンを持ち込んだことで広く知られるようになりました。熱を加えると電気を帯びる性質も、オランダ人が発見しました。
トルマリンはアジアにも広まり、中国最後の女帝である西太后は、トルマリンをいたく気に入り、カリフォルニア州サンディエゴで発見されたトルマリンをなんと1トンも購入したといわれています。
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トルマリンの産地
宝石として使われるトルマリンが産出することで有名なのはブラジル、ナイジェリアです。他にはアメリカ、ロシア、マダガスカル、モザンビークなどで産出されます。当店ではブラジル産、ナイジェリア産の、宝石質のトルマリンを中心に取り扱っています。
トルマリンの価値
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色によって名前が変わるトルマリン
トルマリン最大の特徴は、「無い色は無い」とも言われるほど、バリエーションに富んだ美しいカラーです。
ひとつの石に2つ以上の色が混在していることも多く、そのようなトルマリンは人気が高いです。2つの色を持っているトルマリンは「バイカラートルマリン」、3つ以上の色を持っているトルマリンは「パーティカラートルマリン」と呼ばれます。
また、トルマリンは色によって名前が変わることでも有名な天然石です。例を挙げると、
・アクロアイト:無色
・ルベライト:赤、ピンク
・シベライト:赤紫
・インディゴライト:青
があります。
近年では明るめの色合いのトルマリンを「キャンディーカラー」、ブルーグリーン系統のトルマリンを「シーフォーム(海の泡)」と呼ぶこともあります。
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特別な名前を持つトルマリン
トルマリンの中には、さらに特別な名前が付けられたものも数多く存在します。
まず、1989年にブラジルのパライバ州で発見された、ネオンブルーのトルマリンは「パライバトルマリン」と呼ばれます。パライバトルマリンの発色要因は微量に含まれる銅です。あまりに特徴的な色合いなので、近年では「パライバカラー」という言葉が生まれたように、パライバは色の代名詞になっています。
また、色の変化が放射状に広がり、中央が赤やピンク、周囲が緑色のトルマリンはスイカのような見た目をしているので「ウォーターメロントルマリン」と呼ばれます。
さらに、トルマリンは含まれるインクルージョンによって、一筋の光の線が見えるキャッツアイ効果を持つ「トルマリンキャッツアイ」が生まれることもあります。
マダガスカル産のトルマリンの中には、輪切りにした時に三角形があり、その模様の中にさらに3本の線が走っている美しい幾何学模様を持つものがあります。この模様を「メルセデスマーク」と呼びます。