アクアマリンについて
【和名・藍柱石・藍玉|英語・Aquamarine|産地・ナミビア/ナイジェリア/マダガスカル/ブラジル等】
アクアマリンはベリル(緑柱石)と呼ばれる鉱物の一種で、エメラルドやモルガナイトなどと同じ仲間です。「アクアマリン」という名前の通り「水」のような清涼感のある色合いが特徴です。3月の誕生石としても指定されている天然石です。アクアマリンの中でも、非常に深いブルーのサンタマリアアクアマリンや、美しい内包物を含むモスアクアマリンといった種類が見られます。原石の段階で加熱処理されるのが一般的です。当店ではビーズを中心に、カボション(ルース)、ペンダントトップ、ブレスレットも販売しております。
アクアマリンの特徴
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アクアマリンの名前の由来
アクアマリンの名前の由来は、ラテン語の「aqua(水)」と「marine(海)」を組み合わせたものです。アクアマリンは宝石名で、鉱物名としては「ベリル」と呼ばれます。ベリルという名前の由来は、ギリシャ語で「青や緑の石」を意味する「beryllos」です。和名もそのまま「緑柱石(りょくちゅうせき)」となります。
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色によって名前が異なる宝石
ベリル・グループは、含まれる不純物によって多くのカラーバリエーションがあり、それぞれが異なった宝石名で呼ばれています。
・青:アクアマリン
・緑:エメラルド
・ピンク:モルガナイト
・黄色:ヘリオドール
・無色:ゴシェナイト
アクアマリンが青に発色する要因は、結晶の中に含まれる微量の鉄です。
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アクアマリンの産状
アクアマリンは、粗粒岩で空洞部を形成しやすいペグマタイト上に結晶することが多い石です。同じベリル・グループのエメラルドと違い、大きな結晶が育ちやすいのが特徴です。その結晶の形は板状、または六角柱状になります。アクアマリンは、共生鉱物としてマスコバイト(白雲母、しろうんも)、トルマリン(電気石、でんきいし)、フローライト(蛍石、ほたるいし)を伴うことがあります。
アクアマリン 鉱物データ
項目 |
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和名 |
緑柱石 りょくちゅうせき |
モース硬度 |
7.5〜8 |
結晶 |
六方晶系 |
成分 |
Be3Al2Si6O18 |
比重 |
2.7 |
色 |
青、水色 |
一般的なトリートメント等 |
加熱処理、フラクチャー充填 |
アクアマリンの産地と種類
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アクアマリンの産地
アクアマリンは世界各地で産出するものですが、宝石質のものが産出することで有名なのはマダガスカル、ブラジル、ナイジェリア、中国などです。他にも、パキスタン、インド、ナミビア、タンザニア、ロシア、スリランカなどでも産出します。
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アクアマリンの種類
一口にアクアマリンといっても、その色合いやインクルージョンによってさまざまな種類に分けられます。ここでは、当店で取り扱っているものを中心にご紹介いたします。
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サンタマリア・アクアマリン
サンタマリア・アクアマリンは、もともとはブラジルのミナス・ジェライス州にあるサンタマリア・デ・イタビラ鉱山で産出した、非常に濃く美しい青のアクアマリンを指す言葉でした。しかし現在はブラジルだけでなく、ナイジェリアで産出した色の濃いアクアマリンも同じ名前で呼ばれるようになりました。当店ではナイジェリア産の、濃厚で美しい青のサンタマリア・アクアマリンを主に取り扱っております。
近年、アフリカのモザンビーク鉱山にて、同様に色が濃いアクアマリンが産出されるようになりました。このアクアマリンにちなんで「サンタマリア・アフリカーナ」と呼ばれています。
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モスアクアマリン
「モス」は「苔」を意味する言葉です。その名の通り、内部に苔むしたかのようなインクルージョンがあることが特徴的なアクアマリンです。このインクルージョンの正体はイルメナイト(チタン鉄鉱)です。苔むした庭にしたたる水滴を押し固めたような、変わり種のアクアマリンです。
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その他のアクアマリン
上記に述べたアクアマリン以外にも、その色合いや特徴によってさまざまな呼称があります。たとえば、色が淡く、白みがかったアクアマリンは「ミルキーアクアマリン」と呼ばれることがあります。また、繊維状のインクルージョンが規則正しく並ぶことによって、猫の目のような一筋の光が現れる「キャッツアイ(シャトヤンシー)効果」が見られるものもあります。