翡翠(ひすい)について
【和名・翡翠(ひすい、ヒスイ)・硬玉・軟玉|英語・Jadeite、Nephrite|主要産地・ミャンマー/ロシア等】
国産では糸魚川翡翠が非常に有名なため、翡翠という天然石はとても知名度がありますが、翡翠と一言で言っても、主にミャンマーで産出される硬玉(ジェイダイト)、ロシアやカナダで産出される軟玉(ネフライト)の2種類に区分されます。日本でも古来より宝石として珍重されてきた天然石の一つで、2016年には日本の国石に認定されています。パワーストーンとしての人気も高いです。当店ではビーズ、カボション(ルース)、ペンダントトップ、ブレスレット等を販売しております。
項目 |
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和名 |
翡翠輝石 ひすいきせき(硬玉) 緑閃石 りょくせんせき(軟玉) |
モース硬度 |
7(硬玉) 6-6.5(軟玉) |
結晶 |
単斜晶系 |
成分 |
NaAl[Si2O6](硬玉) Ca2(Mg2Fe2+)5[OH│Si4O11]2(軟玉) |
比重 |
3.25〜3.35(硬玉) 2.90~3.00(軟玉) |
色 |
緑 白 黄 黒 褐 赤 ピンク 紫 灰等 |
一般的なトリートメント等 |
漂白 染色 ワックス含侵処理 |
翡翠(ひすい)の産地
- ここでは、現在翡翠が採掘される場所について解説します。日本では糸魚川にも未だ多くの翡翠が眠っているとされていますが、現在は採掘が禁止されているので国内に出回っている翡翠の多くが外国産です。
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硬玉(ジェイダイト)の産地
現在、世界で最も多くの硬玉翡翠が採掘されているのがミャンマー(ビルマ)です。カチン州の北部にあるチンドウィン川からイラワジ川の領域が主な採掘地で、日本同様川に落ちた原石を水の中から探す採掘方法が取られています。2015年まで世界で最も大きな翡翠の原石は糸魚川で発見された102トンのものでしたが、2016年にミャンマーのパカン地域で175トンの原石が発見され、記録が塗り替えられました。
ミャンマー産の硬玉は鉄分を多く含んでいるため、緑色が鮮やかに出やすいのが特徴です。当店でも、さまざまな色合いのミャンマー産硬玉および、マウシットシット・ラベンダー翡翠を取り扱っています。
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軟玉(ネフライト)の産地
軟玉翡翠の主な採掘地はロシアとカナダです。当店が扱っている軟玉もロシア産とカナダ産です。また、アメリカの飛び地でありカナダと隣接しているアラスカ州でも少量ですが採掘が行われています。
翡翠(ひすい)の種類
- 翡翠には、硬玉・軟玉という区別以外に産地や色でいくつかの種類に分かれています。ここでは当店で取り扱っている石を中心に、翡翠の種類について解説します。
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硬玉 / ジェイダイト
硬玉は、日本で「本翡翠」と呼ばれる石です。純粋な翡翠は白色で、鉄やクロムが含まれると緑色が強くなっていきます。ですから、天然石や宝石として流通している翡翠の多くが乳白色がかった緑色をしています。当店では、白色が強い硬玉・緑色が強い硬玉・そして、黒硬玉の3種類があります。黒硬玉は「グラファイト(石墨・黒鉛)」を成分に含んだ石です。含まれるグラファイトの量によって色味が異なり、漆黒からグレーがかった色合いまであります。当店では、漆黒に近い珍しい黒硬玉も取り扱っております。
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軟玉 / ネフライト
軟玉(ネフライト)は、硬玉に比べるとモース硬度が低く、含有される鉄分の量が多いほど緑色が深くなります。鉄分の量が少ない軟玉はクリーム色・白色・黄色など明るい色になるのも特徴です。当店では、深く澄んだ緑色から乳白色に近い淡い緑色のものまで、変化に富んだ色合いの軟玉を取り扱っています。軟玉は靱性が高く染色処理が難しいので、市場に出回っている軟玉はすべて天然のままの色です。当店では、希少性の高いキャッツアイが見られる軟玉も取り扱っています。
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ラベンダー翡翠(ラベンダーひすい)
ラベンダー翡翠は、硬玉の一種です。チタンが多く含まれており、その含有量によって薄紫から青に近い色までさまざまな濃度の紫色になります。石全体がラベンダー色に染まっている石もあれば、乳白色と紫色がマーブル模様になっている石もあります。当店で取り扱っているラベンダー翡翠は、石全体が淡いラベンダー色のものです。天然の石なので一つ一つ色合いが異なります。
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マウシットシット(モーシッシ、マウシッシ)
マウシットシットは、コスモクロア輝石ともいい、硬玉を構成する主成分の1つであるアルミニウムがクロムに置換したものです。初めて発見されたのが隕石の中だったので、長らく地球上には存在しない鉱物とみなされてきました。1984年にミャンマーのマウシットシットとから、同じ成分の鉱石が発見され、地球上にも存在することが確認されました。厳密にいえば翡翠とは別の石ですが、成分が翡翠に近いため翡翠の一種として流通しています。当店が取り扱っている
マウシットシットは、硬玉の割合が高く成分も硬玉に酷似しています。硬玉以外に含まれている成分は、アルバイト(曹長石)です。純粋な硬玉・軟玉に比べると緑色が鮮やかで白色をほとんど含まないのが特徴です。
翡翠(ひすい)のお手入れ方法
- ここでは、翡翠のお手入れ方法について解説します。翡翠は粘り強さは鉱石一ですが、ひっかくと傷がつきますので、翡翠のアクセサリーは、尖ったものと一緒にしまわないようにしましょう。
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乾燥に注意
翡翠は過度の乾燥で色が濁ったり変色したりすることが稀にありますので、乾燥した場所で長時間付けっぱなしにするのは控えましょう。ベビーオイルや食用油などを翡翠に塗るお手入れ方法もありますが、翡翠を身につけておくだけでも、皮脂によって乾燥を防ぐことができます。
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化学物質と酸で腐食する
翡翠は、化学物質と酸で腐食する性質があります。ですから、翡翠のアクセサリーを付けたまま家事をするのは控えた方が無難です。キッチン用の漂白剤は酸性、油汚れ用の洗剤は強アルカリ性です。また、ナチュラル洗剤の重曹やセスキ炭酸ソーダもアルカリ性なので、扱う場合は翡翠をはずしてください。
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柔らかい布で拭く
翡翠の普段のお手入れは、柔らかい布で拭くだけで十分です。なお、翡翠は靱性が高いのですがモース硬度は6.5〜7なので、超音波洗浄機などには不向きです。表面に傷がつき色が濁ってしまいます。